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 早稲田大学
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item1b1a1a1 えんじの人々(10)「国際審判員の道」

山本和良さん(男子部・平成2年・教育学部卒業)   2010年1月掲載

今年のバレーボールのV・プレミアリーグが11月28日に開幕しました。早稲田大学バレーボール部出身の選手も多数が参加出場して競いあっています。そのV・プレミアリーグの試合で審判を務めているのが山本和良さん(平成2年教育学部卒業)です。山本さんは、和歌山県の公立中学校に勤務するかたわら、国際審判員の資格で、国内や国際大会の重要な試合でホイッスルを吹いています。

 

「国内でレフェリースクール(Iスクール:国際審判員を目指すためのもの)に所属しています。そのなかでまず、国内の選考試験をパスした後に、2004年にアメリカのアトランタで、国際審判員の試験を受けました。その後、国際審判員候補として約3年間で実績を積んで、2008年からFIVB(世界バレーボール連盟)公認の国際審判になりました。 国内では、Vプレミアリーグを中心として国内の主要な大会を行っています。また、全日本大学バレーボール選手権大会の準決勝・決勝に参加し審判をしています。2006年に、早稲田大学の男子が3位、女子4位になった大会では、決勝戦を務めました。国際大会では、アジアユース大会(2005年にフィリピンで開催)、アジアクラブ選手権大会(2007年にベトナムで開催)、アジアクラブ選手権大会(2009年にタイで開催)などをはじめ、参加した日本のチームに帯同して審判を務めました。2007年そして2009年のアジアクラブの大会では、日本チームが優勝につながる試合の主審の割り当てをいただきました。」

 

審判としての活動は、大会・試合の審判を務める以外にも、後進の育成やバレーボール競技のルールの普及にも取り組んでいます。

「審判活動のほかにも、審判の講習会での講師なども務めています。特に国内の審判活動では、全国各地に派遣審判として行かせていただいています。しかし、なかなか早稲田のOB・OGの方とお話しする機会というのがありません。国際審判員の中でも“一目見てわかる風貌”をしていますので、声をかけていただけたら幸いです。」

 

山本さんは現在、和歌山市立有功中学校に勤務して保健体育を教えています。学校内では中学3年生を担任し、また進路指導主事としての役割もあります。

「毎年今の時期(12月)から、来年の3月の終わりまで、生徒の進路について生徒と保護者を交えて懇談会を持ったり、アドバイスをしたりで、多忙な毎日です。また、進路指導の担当として、学年全体のとりまとめもあり、特に生徒の進路に関して将来のことがかかっていますのでとても神経を使います。」

 

「いま、バレーボール部の顧問をしていますが、審判活動のほうにどうしてもウエイトがかかっているため、残念ながら練習指導についてはなかなかゆきとどきません。特にVリーグ(プレミア・チャレンジ)の時期については、基本的には金曜日の夜に、試合の開催地に到着し、土曜・日曜と試合をこなし日曜日の深夜に帰宅するという日程が、月に2週~3週あります。このために休日の練習指導や、練習試合の引率などができないので残念です。バレー部には、もう一人の指導者(外部コーチというシステムを活用しています。)がいて、日々の練習を指導しています。こうした外部コーチを招くまでは、1勝することもできなかったのですが、今年度から、ともに指導をいただいているために、着々と力をつけてきています。今は、まだまだのチームですが、県大会出場を目標に頑張っています。」

 

山本さんは、大阪の強豪で伝統のある大阪商業大学付属高等学校(現 大阪商業大学高校)から早稲田に進みました。体育の教員を目指して自ら選んだ道でした。

「私が早稲田に入学すると、4年生にあの姜萬守(カンマンスー)さんがいました。大学リーグでの活躍は今でも鮮明に覚えています。特に、当時はあまりなかったバックアタックを攻撃として使っているのを間近に見て、すごく感動しました。また、1年生の関東大学春季リーグで、早稲田が33年ぶりに優勝した時は、早稲田大学の記念会堂が確か5000人を超える観衆が入って超満員になっていたことを今でも覚えています。」

 

早稲田で学んだ4年間は、今の山本さんにどのように生かされているのでしょうか。

「体育の教師を目指していたことと、高校時代の監督の先生の勧めがあって、早稲田を志望しました。早稲田では、学生が中心となって(特に4年生が)、チームを運営していくスタイルだったと思います。言葉で言うよりも、行動で示すことの大切さ。目標に向かってひたむきに努力する。このことがとても大切だということを学びました。最近では、特に中学生というのは、言葉巧みにのせてやらないと、なかなか行動に移せない生徒が多いように思えます。自分としては、叱るのはいいのですが、生徒をのせてやるのはいまだに苦手でぎこちなくやってます。(笑)

 

そして、今の教員仕事にもバレーが役立っていると言います。

「私は、あまり得意ではないのですが、一つのもの(ボール)をみんなでつないで、成果を出していく(ポイントする)この積み重ねが勝利に結びついていくことだと思っています。学校現場では、勝敗というのはなかなか目に見えたり、形に現れたりすることがないのですが、子どもたちに同じようなプロセスを経験させることが大切だと考えています。バレーボールの練習で、自分に負けずにコツコツと努力する。すぐには結果が出ないかも知れないが、やがて稲穂が実る(花が咲く)と考えています。」

 

最後に、公立中学校の教員として、また国際審判員の立場から、今の現役選手に向けて、学生自主の重要性を語って締めくくってもらいました。

「幸いにも今、審判員として大学リーグ(学連)に関わることができています。関東大学男子1部リーグにも、春季リーグ、秋季リーグに参加しています。いつも思うことは、リーグ戦の運営も、チームもですが、学生自身が、考え、工夫し、実践する。(もちろんアドバイスを受けながらだと思うのですが、)これが大学バレーの素晴らしいところだと思います。大学のチームによっては、選手・チームスタッフの人数の多い少ないはありますがチームのそれぞれの立場・役割で自分のすべきことは何なのかを考え、実践してる。さらに創意工夫を加える。多くの人からのアドバイスを真剣に聞く。と、勝利を目指す組織の一員として、仕事をしっかりこなせているチームが強いと思います。関東大学リーグには、春季・秋季リーグともに審判で参加させていただいています。関東の1部リーグに早稲田がいないのは、寂しい気がします。ぜひともチーム一丸となって1部復帰をして、優勝をねらっていってもらいたいと思います。」

 

山本和良さん・・・大阪商業大学付属高等学校(現 大阪商業大学高校)で1985年(昭和60年)石川インターハイ優勝。1986年(昭和61年)に同高校を卒業して早稲田大学教育学部に入学。大学3年の時に右膝の半月板損傷のため3週間治療入院を経て、控え選手としてチームをサポート。1990年(平成2年)早稲田大学を卒業し、和歌山県の公立中学校に奉職。2008年からFIVB(世界バレーボール連盟)公認の国際審判員。

 

※ この「えんじの人々」シリーズでは、稲門バレーボール倶楽部の会員の消息や各界で活躍するすがたを紹介していきます。そうした卒業生がいらっしゃったらご連絡ください。ご自分での文章も歓迎いたします。